オーナーインタビュー

BESSの暮らしはどうですか?
「ログハウスでの暮らしってどんなもの?」「田舎暮らしに憧れているけど…」。木の家での暮らしを思い描いている方へ、BESSのログハウスや個性派住宅にお住まいのご家族の実例をご紹介します。新たな暮らしを始めた経緯、用途により異なるログハウスのスタイル、家づくりへの思いや暮らしぶりなど、ぜひ参考にしてください。

カントリーログハウス

時を経ながら味わい深くなる庭と家と

ログの家と自作の庭が引き立て合って魅力を増す

 北アルプスを見晴らすBESS信州の安曇野街区のなかでも、五郎丸さん宅の緑はひときわ鮮やかだ。門柱にはGARDENHOLICの文字、お宅の屋根の下にはその略GHの文字が見える。ガーデンホリック=庭中毒とはシャレが効いている。実はこの家のご主人は造園家で、彼が代表を務める株式会社ガーデンホリックは、造園、エクステリアの設計、施工、メンテナンス、資材の販売等、庭のこと全般を請け負う会社だ。住まいは奥様と3人のお子様と暮らす家であり、会社事務所も兼ねている。
 もちろんこの庭も自分で手がけた。さもありなん。カントリーログの家は、まるで雑木林の中に建っているように気持ちよさそうではないか。「ログハウスを建てたらこんな庭にしたい」。そんな夢が膨らみそうなお手本だ。コナラにクヌギにヤマボウシ、カンザクラやヤマモミジ。バラもあるし、ラムズイヤーなどハーブもある。目線の高さで見える植物が違って楽しい。きっと樹種ごとに、新緑や花や実や紅葉の季節を味わえるのだろう。
 外構の材料は、仕事で使って余ったものだと言うが、そこはやっぱりプロの仕事。家全体を眺め、アルプローチを歩き、玄関に至る過程に、緑で構成された物語がある。さらにデッキの側やリビングに面した側にも自然と足を向けたくなるような、心くすぐる物語を用意している。家と庭とは引き立て合って魅力を増すのだと改めて感じた。

ログが年を経るほどよくなるのは庭と通じるから

 五郎丸さん夫妻は松本市出身で、安曇野には横浜からUターンしてきた。「家を建てるなら田舎の方へ。できれば昔から憧れていた安曇野に」そうご主人は考えた。奥様も「子育てになったらこっちだよね」と思いは同じで、1人目のお子さんを授かったとき家づくりを決意する。当時ちょうどこの街区に空きがあって、この場所は駅や学校も近かったから迷わず決めた。
 BESSの家を知ったのは横浜時代だ。ご主人の友人が別荘に使っている家を見たり、外構の仕事でお客様のワンダーデバイスの家に行ったりして好感をもった。代官山の展示場にも足を運び、ますます気に入った。特にご主人を惹きつけたのは、ログハウスの経年変化だ。「庭も年を取れば取るほどよくなっていきます。ログハウスにも通じるものを感じました」
 家のことにあまり関心のなかった奥様は、「ログって丸太小屋でしょ」と初めはピンとこなかった。でも、展示場でカントリーログを見せられて、「こういうのもあるんだ」と後はご主人に任せることにした。初めてのお子さんの出産を翌年に控え、正直家のことまで気が回らなかったし、この人ならメンテもやってくれるはずとパートナーを信じていたからだ。結局2人は他のメーカーの家を見ることなくBESSを選んだ。ちなみにカントリーに決めたのは、外環境と室内の間にあるのがログ材だけという潔さと、それでいて頼りになるところが男らしいと感じたからだとか。

安曇野に越してからリースづくりを始めた奥様

 室内を案内してもらった。LDKでまず目に飛び込んでくるのは、バーモントキャスティングスの薪ストーブだ。機種はアンコール。ホーローレッドが美しい。火を入れない季節はストーブのトップに奥様が草花を飾る。とかく夏場のストーブは、どこか存在感が薄くて寂しげだが、こうしたあしらいひとつで空間も華やぐ。ストーブもインテリアとして生気を放っているではないか。
 1階のひと部屋は、ご主人の会社の事務所になっている。五郎丸さんは庭の施工や営業に行っているとき以外は、ここで図面を描いたり、事務仕事をしたりする。家族の近くで仕事ができるのがうれしそうだ。外での仕事が少ない冬場は、ご主人はほとんど家にいるから、子どもたちも喜んでいるという。
 仕事といえば、ストーブに花を飾った奥様、実はリース作家だ。かつて都内のフラワーショップに勤務した経験を活かし、ここに越してから活動を始めた。ドライフラワーなどさまざまな素材でつくる彼女の作品はネットでも人気なのだとか。「子育ての合間にする程度で、趣味みたいなものです」。そう謙遜するけれど、素人目にもとてもロマンティックで素敵な作品だと思う。それにご主人の庭同様、リースも完成したときから時を経ながらまた違う味わいもまとっていく。だからログハウスにもよく似合うのだ。
 奥様が作業するのは、2階のオープンロフトである。天窓から有明山が正面に望めるこの空間を、もともとご主人は自分の仕事場にしようと考えていた。けれど、夏はもちろん冬場も薪ストーブの熱があるから洗濯物を干すのに格好の場所と分かり、物干し場に譲ったそうだ。その一角に作業台を置いて奥様は、お子さんが寝静まった後夜なべ仕事でリースづくりに励む。


家の大らかさに人の気持ちも染まっていく

 実際に暮らして、やっぱり木の家は心地いいとご主人は話す。「特に床のやわらかさが好きです。寝転んでも気持ちいいし、人間の脂でどんどん茶色に変わっていくし」。もともと凝り性のご主人だから、当初奥様の予想通りご主人は家のことをまめにする。建築時にはキッチンの壁のモザイクタイルを自分で施工した。家ができてからだって、外壁の塗装も自分でやるし棚もつくる。もちろん庭のお手入れも。ログハウスとの相性はやっぱりよかったみたいだ。
 奥様もこの家の魅力を発見した。たとえば夜当たり前に暗くなること。屋内の照明は最小限にして、蛍光灯を付けていないので、夜のとばりが降りると家の中も薄暗くなる。その暗さが子どもたちを寝かしつけるのにいいそうだ。暗くなれば生き物は眠りにつく。翌朝明るくなればやっぱり自然と目が覚める。当たり前のリズムに身体をゆだねるのがいい。
「子どもが壁に落書きしたり、シールを貼ったりしても気にならないのもいいところ」なのだそうだ。「だめだよー」そうやさしく諭すくらいで、無邪気ないたずらと許せてしまう。「それから蜘蛛を殺せなくなりました。見つけても逃がすようにしています」。家がもつ大らかさに、人の気持ちも染まるのだろうか。
 夫婦2人で過ごす時間も大切にしている。夜、互いに仕事の手を休め、冬なら薪ストーブの前に座ってコーヒーを飲む。夕方入れた薪が熾きになったのを見て、「もう一本いれようか」と薪を足す。静かで穏やかな時間が過ぎていく。
「これから秋になると、山から赤いの(紅葉)が下りてきます。しばらくすると今度は白いの(雪)が降りてきます。冬の庭もいいですよ。でも木々の新芽の生気を呼吸するのも気持ちいい」。そうして巡る季節を五郎丸さん一家はこの家で7年過ごした。これからも過ぎゆき時のなかで、この庭もログもますます魅力を増していくことだろう。

株式会社ガーデンホリック
https://www.gardenholic.net/

ブルームズベリー
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